2025年度「集まれ未来の看護師さん!!」

開催日:2025年7月29日(火) 開催場所:北海道看護協会

北海道「看護の日」および「看護週間」実行委員会の主催で、「集まれ未来の看護師さん!!」が今年も開催され、夏の暑さの中、中学生28名、保護者17名、今年は小学生3名も参加し、中には家族で参加されている方もいらっしゃいました。

【受付】

受付では笑顔(?)のかんごちゃんが皆様をお出迎え!
かんごちゃんは大人気で、受付を終えるや否や記念写真を撮る姿が多く見られました。
また、会場前のホールにはナガイレーベン㈱の協力により、看護師の昔のユニフォームが展示されており、看護の歴史を感じることができました。

かんごちゃんが参加者をお出迎え
ユニフォームの歴史

【開会】

高橋会長
木村委員

実行委員会委員長の髙橋久美子会長から「将来なりたい自分の姿を選ぶ体験として楽しんで」という温かい言葉でスタート。続いて、実行委員会委員の札幌看護医療専門学校学科長木村文枝氏から、看護師の仕事の紹介に加え、「看護」という言葉の意味、看護師・保健師・助産師になるための進路、専門学校と大学の違いなどについて説明があり、皆さん真剣な表情でお話を聞いていました。

【看護体験説明】

まずはオリエンテーションです。

  • 「聴診器での心音・肺音聴取、脈拍測定、瞳孔と対光反射の観察」について
    医療法人王子総合病院  集中ケア認定看護師 三上洋史氏
  • 「手洗いとガウンテクニック」について
    社会医療法人北海道敬愛会 札幌南三条病院 感染管理認定看護師 小崎巧実氏
  • 「ベビー人形を使った抱っこやオムツ交換」について
    岩見沢市立総合病院助産師 家郷恵利子氏

講師3名から体験内容の説明を受けたあと、グループに分かれて体験スタートです。

説明を受ける参加者
三上洋史氏
小崎巧実氏
家郷恵利子氏

【聴診器での心音・肺音聴取、脈拍測定、瞳孔と対光反射の観察】

バイタルサインの説明を受けて2人1組で体験開始。
脈拍測定は橈骨動脈の拍動を感じられず苦労している様でしたが、場所がわかると「生きてる!」「秒針と同じリズムだね」と楽しそうな声が聞こえました。
また、肺音聴取は本物の聴診器を使い、目を輝かせながら「なんとなく聞こえる」と耳をすませてみたり、瞳孔反射ではペアの目をジーっと見て「あるあるある!」や光をあてて「ほんとだ~」と歓声が上がっていました。
新型コロナ感染症の対応で頻回に使用した経皮静脈酸素濃度測定も体験し、三上氏が限界まで呼吸を止めて呼吸状態が悪い状態の酸素濃度の数値変化も見せてくれるなど、体験者からは自分との数値の違いに驚きの声があがっていました。

"あっ動いてる"(脈拍測定)
"ちゃんと聞こえてるよ"(肺音聴取)
"わー反応ある!"(瞳孔反射)

【手洗いとガウンテクニック】

手洗い体験ではチェック用のローションを手に塗って手洗いをした後に、ブラックライトで洗い残しを確認する体験を行いました。多くの方が、1回目の手洗いの後に洗い残しがあり「やっぱり」と納得しながら洗い残しが多い部位の図と自分の手を見比べ、再度丁寧に手洗いをする姿が見られました。
感染対策体験ではアルコール消毒液を使用した手指衛生で今まで自分達が使用していたアルコール消毒液の使用量が、規定されている量よりもかなり少なかったことに驚いていました。この体験を通して正しい手洗いの方法を学ぶ良い機会になったようです。また体験の中では、参加者代表が滅菌ガウンとグローブを着用する体験もあり、清潔と不潔を意識しながら着用するため緊張した面持ちでしたが、講師の説明を受けながら正しく着用できた後は笑顔がこぼれ、不織布ガウンを記念に持ち帰る参加者もいました。

ローションを塗って手洗い"ちゃんと洗えてるかな"(手洗い体験)
手袋がぶかぶかの小学生と滅菌ガウンの装着(感染対策体験)

【ベビー人形を使った抱っこやオムツ交換、妊婦体験】

参加者の皆さんは首の座っていない赤ちゃんを抱っこするのは初めてで、人形とはいえ緊張気味の様子でしたが、レクチャー通りに優しく抱っこする姿やオムツ交換をするのが印象的でした。
また、妊婦体験では7㎏の妊婦ジャケットを着て歩いたり、椅子に座ったり立ったり、しゃがんだりの動作を体験。「重たい」「やれやれ、って感じ」などの感想や、小学生の男の子が「楽しかった」と笑顔で話す場面もあったほか、職員から「あなたが生まれた時は何グラムだったの?」と参加者が生まれた時の体重を聞かれる場面では、一緒に来たお母さんから「〇〇グラムだったよ」と教えてもらったことで自分を生んでくれたことを実感し、改めてお母さんに「生んでくれてありがとうございます」と伝えている感動的な場面もありました。

"首が座ってないから緊張する"(抱っことオムツ交換体験)
"妊婦さんって大変なんだ"(妊婦体験)

【閉会】

山本副会長

閉会の挨拶は、北海道「看護の日」及び「看護週間」実行委員会委員で市立札幌病院看護部長の山本さつき氏より、今日の体験を通してひとりでも多くの方が看護の道に進んで欲しいとお話があり、今年度の「集まれ未来の看護師さん!!」は閉会しました。

【ユニフォームの試着会】

ナガイレーベン株式会社の協力によりユニフォームの試着会が閉会後に行われ、用意していただいたユニフォームの中からお気に入りを着て、かんごちゃんと記念写真を楽しんでいたほか、ユニフォームを着た姉弟が両親と一緒に記念写真を撮っている光景もありました。

"どれにしようかな"
ご家族と一緒に
未来の自分が想像できたかな

【終わりに】

会場には、看護職に関心のある意欲的な参加者の笑顔があふれ、それぞれの看護体験では、 興味津々な様子で講師からの説明を聞き、真剣な表情で取り組んでいたことが印象的でした。
取材する私たちも、その笑顔や真剣な眼差しに元気をもらうと同時に頼もしさを感じ、この体験が参加された方の未来への一歩につながることを心より願っています。

広報出版委員会